天国からのエール

イントロダクション

阿部寛 主演最新作
沖縄で生まれた奇跡の実話――感動の映画化

沖縄の小さな弁当屋の隣に建てられた、手作りのスタジオ「あじさい音楽村」――
最期まで若者に希望を遺したかったひとりの男と、真っ直ぐに彼を信じた若者たちの実話

写真:「あじさい弁当」および「あじさいスタジオ」のオーナー、大城陽。降り注ぐ日射しの中、頭に
タオルを巻き、少し目を細めて前方を見ている。

「あじさい音楽村」――それは美ら海(ちゅらうみ)水族館で有名な沖縄県本部町(もとぶちょう)にある、全てが無料のスタジオ。地元で「あじさい弁当」を営む仲宗根陽(なかそね ひかる)氏が、近所の高校生たちの夢を応援したい一心で98年に借金をして作ったそのスタジオからは、数組のアーティストがプロとして巣立つのだが、05年、仲宗根氏は志半ばで病に倒れる。自らの余命を知りながら、ただ懸命に若者の可能性を信じ愛する仲宗根氏と彼を支え続ける家族、そして彼を“ニイニイ”と呼んで慕い“生きること”や“夢を信じること”を教えられる若者たちの姿は多くの人の心を打ち、06年にNHKでドキュメンタリーが放送された。さらに10年にはノンフィクション「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」として書籍も発行される。そして、ついに奇跡の実話の映画化として本作『天国からのエール』が誕生する。

仲宗根氏をモデルにした主人公・陽(ひかる)を演じるのは、『青い鳥』『歩いても 歩いても』(08)、『ジェネラル・ルージュの凱旋』(09)などに主演し、今後も『ステキな金縛り』『テルマエ・ロマエ』など多彩な作品の公開が控える、日本映画界で唯一無二の存在感を放つ俳優・阿部寛。仲宗根氏の生き方に惚れ込み映画化を決意したプロデューサーと生前の仲宗根氏本人が、企画段階から阿部のキャスティングを熱望し実現した。不治の病と闘いながら若者たちを叱咤激励し、熱さのなかに不器用な優しさをにじませる本領発揮ともいえるキャラクターに挑み、料理や沖縄弁の練習はもちろん衣装や髪型まで本物にこだわり、仲宗根氏に所縁のある人物と交流しながら、“実在の人物”を見事に演じ切る。

人間関係が希薄になったと言われながらも、多くの人が“他人のために何ができるのか?”を改めて見つめ直している今、太陽が光り輝く小さな町で、誰かのために必死で生きようとしたひとりの男と真っ直ぐに彼を信じた若者たちの姿は、見る者に大きな感動と確かな希望のエールを届けてくれる。

「このスタジオと機材、自由に使っていい。お金はいらない。ただ条件がある。
挨拶をすること。赤点は絶対取らないこと。人の痛みがわかる人間になること……」

沖縄の田舎町・本部町(もとぶちょう)で小さな弁当屋「あじさい弁当」を営む大城陽(おおしろ ひかる)。陽は、弁当を買いに来る高校生たちが放課後にバンドの練習をする場所がないことを知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることに。陽には、音楽が好きな彼らを支えてやりたいと思う、ある理由があった。借金までして手作りしたスタジオを無料で解放し、ことあるごとに本気で自分たちを叱ってくれる陽を、高校生たちはいつしか“ニイニイ”と呼んで慕うようになる。彼らは、音楽以上に生きていくうえで大切なことを陽から学びながら、大切なフェスティバルに向けて練習に熱中するのだが、そんなある日、陽が病に倒れて……。

本気で叱ることが、本気で愛すること---
あきらめなければ、“誰かのためにできること”は、きっとある

「昔は色んな人が助けてくれた。今の若者にはそれがない。そういうのをほっときたくない」。見知らぬ高校生のために借金までしてスタジオを作り、実の親以上に愛をもって彼らを叱り、励ます・・・ そんな陽の行動は、すべてこの信念から始まっている。誰もが共感できるシンプルな言葉だが、今実際にそれを行動に移すことができる“大人”はどれだけいるのだろう? 若者を叱れる大人が少なく、若者が狭い世界に閉じこもりがちだと言われる社会。陽は、どんな若者にもあきらめずに本気でぶつかれば必ず気持ちは伝わると思い、夢を持てない若者たちに未来を託そうと「あきらめるな」と訴え続けた。若者たちはそんな彼の想いに動かされて心を開き、「あきらめなければ夢は叶う」と信じ始める。そんな彼らの姿を目の当たりにするとき、何かをあきらめずに信じることの大切さを改めて実感し、自分も誰かのために何かができるのではないか、とささやかな希望を抱かずにはいられない。

沖縄オールロケを敢行!多彩な顔ぶれのスタッフ、キャスト
主題歌は「あじさい音楽村」出身アーティスト、ステレオポニー

このまるでファンタジーのような真実の物語に、現実の確かな肌触りを与えるため、本作は、「あじさい音楽村」の現在のかたちである有限会社あじさいミュージックと本部町の全面協力を得て、実際の「あじさい弁当」や「あじさい音楽村」、そして地元である本部町内でオールロケを行った。

本作で初メガホンを執るのは、『眉山』(06)『ゼロの焦点』(09)など犬童一心監督作品で助監督として着実に経験を積んできた熊澤誓人(くまざわまこと)。脚本は、数々のヒットドラマを手掛け「結婚できない男」(06/CX)「白い春」(09/CX)など阿部寛とのタッグ作品も多い尾崎将也と、新星・うえのきみこ。

主人公の妻・美智子を演じるのは、『落語娘』(08)以来の映画出演となる実力派女優・ミムラ。自らの病をかえりみず人のために生きようとする夫を、迷いながらも明るく献身的に支える女性を、爽やかに演じている。主人公に背中を押されて成長する高校生バンド「ハイドランジア」の紅一点・アヤには、『最後の忠臣蔵』(10)で昨年数多くの映画新人賞を受賞するなど、躍進目覚ましい若手女優・桜庭ななみ。アヤが率いるハイドランジアのメンバーには、本年度舞台「身毒丸」の主演に大抜擢された大型新人・矢野聖人、『ごくせんTHE MOVIE』(09)『劇場版 怪談レストラン』(10)などに出演する森崎ウィン、09年アミューズ全国オーディショングランプリに輝いた野村周平ら、フレッシュな魅力に溢れる若手俳優が顔を揃えた。さらに、吉田妙子、ヒガリノ、きゃんひとみなど、沖縄出身の俳優陣が鮮やかな彩りを添える。

そして、主題歌の「ありがとう」を手がけるのは、実際に仲宗根氏のサポートを受けて「あじさい音楽村」からメジャーデビューしたガールズバンド、ステレオポニー。今は亡き“父”への感謝の気持ちが込められた歌詞、切なくも力強いメロディーと歌声が、映画のエンディングにさらなる真実の感動を与えている。

10月1日(土)全国ロードショウ

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